乙女の祈り(日本三景松島)

宮城県心霊スポット

全国でも有名な宮城県の松島は、日本三景のひとつとして名高い観光名所です。湾には大小260もの島々が浮かび、海水によって造形豊かに削られた島と周辺に生い茂る松の木が素晴らしい景観を作り出しています。

古くから歌枕として親しまれており、過去には有名な歌人たちが松島の美しさを称え一首残していきました。

江戸後期の狂歌師である田原坊の「松島や さて松島や 松島や」という吟が有名ですが、 奥の細道で松島の風景を見て絶句した松尾芭蕉が「句を詠めず、夜も眠れない状態だった」と記したように松島の美しさを現した逸話は数多く存在します。

解読してはいけない遺書

さて、こんな美しい観光地である松島ですが、松島のとある海岸の片隅にひっそりと心霊スポットがあるのを皆さまはご存知でしょうか?

それは『乙女の祈り』と呼ばれる心霊スポットで、宮城県松島町磯崎西ノ浜の海岸にある1本の松の木に刻まれた遺書の内容から乙女の祈りと呼ばれるようになりました。

なぜこの場所が心霊スポットになったのか。

なぜ乙女の祈りと呼ばれるようになったのか。

過去にどのような経緯があったのか、詳しく調べてみることにしました。

この場所が心霊スポットとして全国的に有名になったきっかけは、ある女子高生が失恋の末に断崖絶壁から飛び降り自殺をしたことでした。

周囲は三陸エリアのリアス式海岸が広がり、切り立った崖がちらほらと見られる場所です。

自殺する際に相手の男性に対して残した遺書らしきものが、この海岸のとある場所にある松に刻まれていた為に、この場所が後に乙女の祈りと呼ばれるようになりました。

彫られた木は何か鋭利なもので刻まれるように文章が彫られていました。

木の表面の皮はかなり大きく剥がされていて、何か執念のようなものを感じてゾッとします。

その文章は下記の内容です。

コノ時ヲモッテ乙ノ限界ヲ知ッタ

大自然ニ生キルイギヲ失ウ

乙ハ死ヲ持ッテ

コレヲ征服セネバナラナイ

昭和四六 二 一男

じつは、この文章を解読して本当の意味を知ると呪われるとか死ぬという噂があります。

では実際に解読しようとして呪われた事例があったのでしょうか。

過去にあった出来事を紐解いてみました。

乙女の祈りにまつわる事故

調べてみると、宮城テレビの『OH!バンデス』という番組でこの場所をレポートした人気アナウンサー小山田明美さんが不運な事故に巻き込まれて亡くなっていることがわかりました。

23歳という若さだったそうです。

絶世の美女であり愛嬌も抜群だったため、アイドル並みの人気を誇った方でした。

オンエア終了後、自らが運転する軽自動車で仙台へと向かう途中山形県東根市関山の国道48号で過積載トラックの荷崩れ事故に巻き込まれ夭折したそうです。(1996年8月19日)

乙女の祈りを番組で報道して直後だったことから、これは呪いなのではと噂されました。

乙女の祈りの由来といろいろな噂

そういえば、なぜこの場所が乙女の祈りと呼ばれているのかご存知でしょうか?

じつは、遺書が発見された当時は文章の中の『乙』に続く文字が読み間違えられて『乙女』に見えたことから、地元民からは『乙女心』と呼ばれていたそうです。

それが徐々に変化していって『乙女の祈り』と呼称されるようになったという説があります。

乙女の祈りと変化した理由は、ザ・ピーナッツ(モスラ、1961年7月30日、東宝)という双子の歌手が歌っていた曲(1960年2月リリース)になぞって変化したそうです。

さて、この遺書ですがじつは冒頭にお話した女子高生の死は無関係ではないかという説も存在するのです。

そもそも飛び降り自殺をしたという話ですが、周囲に切り立った断崖は見られるものの実際にこの地を調べてみると崖から海面までの高さがあまりありません。

崖から飛び降りても高さが足りず自殺できない可能性があるのです。

たしかに調べて見ると飛び降り自殺をしたという以外に、首吊り自殺をしたという噂もあり、噂に一貫性がありません。

この木に彫られていた遺書は女子高生の死より以前に存在していたと言うことです。

遺書をよく読み直してみると文章の最後に「昭和四六 二 一男」とありますので、女子高生が残したものにしては何か疑問が残りますね。

文章自体も失恋したというよりは、自分自身を責め立てるような内容にも取れます。

謎は深まるばかりですね。

現在の乙女の祈り

今は遺書が残されていた松は伐採されてしまい原形は残っていないそうです。

遺書が刻まれた部分の木だけは無残に放置されているのだとか…。

付近を見渡すと枯れた松や伐採された切り株が多数あるので、もしかして同じ理由で伐採されてしまったのかもしれませんね。

原形はないものの遺書の刻まれていた松の切り株は残されており、ここに来た人は線香としてタバコをお供えしていくのが習わしだそうです。

しかし、切り株は不自然に黒く焼け焦げており、もしかしてタバコ線香が元で引火して焼けてしまったのではないかと心配にもなりますね。

松の木はたいまつにも使われるくらいよく燃える木なので、お供えする際には充分に火の元には注意して下さい。

いろいろな噂はあるものの「火のないところに煙は立たぬ」と言います。

この場所に遺書が残されていたということは、ここで誰かが亡くなったということは事実だと思いますので、訪れた際には素直に畏敬の念をもってお供えしましょう。

日本三景松島に関する恋の歌

見せばやな 雄島(をじま)の蜑(あま)の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず

この歌は百人一首にも登場する源重之(みなもとのしげゆき)が作った歌、

『松島や 雄島の磯にあさりせし あまの袖こそ かくは濡れしか』

という歌を本歌(ほんか)にした「本歌取り」の歌です。

本歌取りとは、昔の有名な歌の一部を引用して様々にアレンジして新しい歌を作り出す、和歌の技法のひとつ。

現代語訳………

あなたに見せたいものです。松島にある雄島の漁師の袖でさえ、
波をかぶって濡れに濡れても色は変わらないというのに。
(私は涙を流しすぎて血の涙が出て、涙を拭く袖の色が変わってしまいました)

自殺した女子高生や悲しい事故にあった方へ心よりご冥福をお祈り致します。

乙女の祈りの動画

地図

名称:乙女の祈り
住所:宮城県松島町磯崎西ノ浜79₋37

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