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慰霊の森(雫石)

日本最恐の心霊スポット

『慰霊の森』は岩手県の心霊スポットとしても全国的に知られてますが、じつはそう呼ぶのもはばかられるほど凄惨な事故の現場でもあります。

全ての始まりは1971年7月30日に起きた『全日空機雫石衝突事故』でした。

 

その日、乗客155名と乗員7名の計162名を乗せた全日空58便(ボーイング727)は千歳空港を午後1時33分に離陸し、羽田空港へと向かっている最中でした。

午後2時2分頃、機体が丁度岩手県上空約8500mを飛んでいる時にその事故は起きました。

訓練中だった自衛隊の戦闘機が突如、全日空58便の進行方向に現れたのです。

戦闘機は58便の上部に接触し、双方の機体は操作不能となりました。

戦闘機に乗っていた訓練生は緊急脱出をし、奇跡的に命を取り留めました。

しかし、58便は徐々に降下していきそのスピードは加速、上空5000mのところで音速の壁を越え空中分解、そのまま雫石へと墜落していきました。

空中分解、ということは機体は上空でバラバラになり、乗客はそこからなんの抵抗も出来ずに5000m下まで落下することしかできないということです。

 

その事故の際、音速の壁を越えた時に起きたという衝撃音(ソニックブーム)に空を見上げた人達は後に「空から豆粒みたいなものがパラパラと落ちていくのが見えた」と語りました。

その落下していく豆粒のようなもの、は紛れもなく58便に乗っていた乗客で、当時の事故現場は非常に凄惨なものであったそうです。

高所からの落下だったため、ほとんどの遺体が地面とぶつかった時の衝撃でバラバラになっており、地面や畑に突き刺さった遺体もあったそうです。

中には木に引っかかった衝撃か、空中を落下してきた勢いからなのか2m程も伸び切った遺体が木にぶらさがっていたのを目撃した人もいます。

結果、当時58便に乗っていた162名は全員が死亡することとなったのです。

 

慰霊の森はその墜落現場を整備し慰霊碑等を建てた『全日空機雫石衝突事故』の犠牲者を供養するための場所です。

三十三回忌にあたる2003年までの間、この場所で慰霊祭も行われていました。

では何故そんな厳かな場所が心霊スポットなどという不名誉な形で世に知られているかというと、ふざけてこの場所を訪れた者たちに不可思議な現象が起きたからだと言われています。

今回はそんな体験に遭遇した人達の話をいくつか語って行きましょう。

 

霊体験その①

あれは数年前の夏の夜の出来事でした。今思えば若気の至りだったのでしょう。

友人3人とふざけてあの場所を訪れたのを今でも後悔しています。

いざ車で慰霊の森に向かっていると、徐々に外灯も少なくなってきて迫力は満点でした。

ふと気づくと山の上の方から何か明かりが下りてくるのが見えました。

なんだろうと思いつつも車を走らせると、それがタクシーであることに気づきました。

「こんな山奥でもタクシーが通るんだなぁ」

程度にしか思っていなかったのですが、私たちの車とすれ違ったタクシーがUターンしてきて後方からクラクションを激しく鳴らしてきます。

 

思わず車を止めるとタクシーのおじさんは窓から顔を出して怒鳴りました。

「お前ら!何考えてるんだ!」

なんのことかと首を傾げていると、おじさんは続けて言います。

「車の屋根に女の子がしがみついてるじゃないか!!かわいそうだろ!」

そう言われて、思わずみんなで車を降りて屋根の上を確認しますが何もいません。

見間違えじゃないのか?現に何も乗っていない、と説明するとおじさんは渋々といった様子でタクシーで山を下っていきました。

なんだよ驚かせやがって、そんな気持ちでさらに山を上がっていくと音がしました。

 

ダン、ダン、ダン!

外から車を叩くような音でした。

助手席の後ろに座る私に、隣に座っていたC君が小さな声で「帰ろう」と言いました。

全員ほとんど無言でそれに同意して、そのままUターンして引き返すことにしました。

山を下る最中、運転手のA君が急に「外を見るな!!」と叫んだので驚いた私は目をつぶって下を向くことしかできませんでした。

なんとか無事に山を下りると私たちはコンビニで一息つくことにしました。

何故途中で叫んだのかA君に尋ねると、すごい数の人影が車の中に入ろうとして車体を叩いてたんだそうです。

車を降りてみると、車には手形や顔を押し付けたような跡がたくさんついていました。

 

コンビニの店員さんに思わず事のあらましを話すと、首を傾げられました。

「そもそもそのタクシー会社は随分前に潰れているはずですよ」

思い返せばたしかにやたら古い型の車でしたし、運転手の服装も一昔前のようでした。

もしかして、危険を知らせてくれていたのかな…と思いながら私たちは帰路につきました。

 

翌日の話です。

私はやっぱりどうしても怖くなり、近所の神社にお祓いに行きました。

神主さんに昨夜のことを話すと「他の友達も連れてきた方がいい」と言われたので、友人たちに連絡を取ろうとしたのですが、誰とも連絡がつきませんでした。

心配になった私はお祓いを受けた後、A君の家を訪ねました。

するとA君のお母さんが出てきて、「AはC君の家から連絡があって、C君が昨夜から帰ってきてないみたいだから探しに行ったのよ」と言うのです。

結局、A君とC君は行方不明のまま帰ってくることはありませんでした。

B君はあの日以来家に閉じこもってしまったようで、昨年自殺してしまいました。

私は、またあの神社でお祓いを受けるつもりです。

遊び半分であの場所に行ったことを本当に後悔しています…。

 

霊体験その②

友人数人と慰霊の森を訪れた時の話です。

慰霊碑に続く階段を上っている最中、いつもは怖がりでもないAがやけに怯えていました。

「やばいよ…やばいって…!」

前を歩く私たちにしきりにそう訴えると、後ろを何度も振り返る。

肝試し気分だった私たちはそんなAの様子に呆れつつも、「早く帰ろう」と騒ぐAのいう事には耳を貸さずにどんどん先に進んでいきました。

パンッ!パンッ!

いざ慰霊碑の前に辿り着くと、Bがふざけて大きく拍手を打ちます。

それでも特にこれといった霊現象は起きないので、正直これだけ有名な場所なんだから幽霊が出るなりなんなりするのだろう、と期待していた私たちは「なんだ、なんも起きねぇじゃん」と口々に言いながら元来た道を引き返すことにしました。

その帰り道でのことです。

 

来た時と同じようにAが怯えながらも声を荒げました。

「やばいって!増えてる!走ろう!!」

私達を怖がらせるためにふざけているのだろう、と思った私は半笑いでAを小突きましたが、それでもAは真剣な顔でやばい、走ろう、を繰り返します。

「増えてるんだって!Bのせいだぞ!!」

あまりにも必死なAの様子に、友人の一人が「おい、なんかAやばくね?ほんとになんかいるんじゃねえの」と顔色を変えました。

「ああああ!足!足!もう俺帰る!!」

そう言って走り出したAに、私たちも怖くなってAを追いかけるように走り出しました。

なんとかAに追いついて何か見えてるのかと問い質そうとしても、Aのいう事は要領を得ない。

「やべぇよ…最初は足だけだったのにどんどん繋がって…それなのにBがあんなことするから、見てたんだよ…そんで…うわああああ!」

突然叫び出してまたもや勢いよく走りだしたAの姿に、私たちはもう訳も分からず、ただただ走ってその場を離れました。

 

近くのコンビニに辿り着いて、明るい店内に入るとAも落ち着いたようでした。

さっきのは一体何だったのか、何が見えていたのかと改めて問い詰めると、Aは青ざめた顔で語りました。

 

「最初に階段でBがつまずいただろ?それで俺も気を付けようと思って足元を見てみたんだよ。そしたら、誰かの足がBの足を引っかけてんの。裸足でさ。おかしいじゃん。

そんで俺、怖くなってみんなに言ったけど、お前ら相手にしてくんねーし。BはBで馬鹿なことするし…俺めちゃくちゃ怖かったんだよ。

それで、帰り道にさ、怖くて後ろ振り返っちゃったんだ。そしたら、なんか増えてんだよ。

さっきの足に太ももとか腰みたいなのとか、全部ばらばらのパーツみたいなのがくっついてるみたいな…それが見るたびに増えてくんだよ。体のパーツ?ミンチ?みたいのがどんどん増えてって…。

俺怖いから走ろうって言ってんのにお前ら全然聞かねーし…。」

 

その話を聞いて、私もBもみんな自分たちのしたことの恐ろしさに気づいたようでした。

 

それからは、話を聞いて一番憔悴していたBを真っ先に家に送ることにしました。

Bを無事に送り届けて、次にAの家に向かいます。

その間ずっと押し黙っていたAは、家の前についても何故か車を降りようとしません。

一体どうしたのかと友人の一人が尋ねると、Aは俯いたまま聞いてきました。

「…俺の体になんかついてない?」

何もついてないよと答えるとやっとAは立ち上がり、車のドアに手をかけながら呟きました。

「さっき見たんだ…Bが家に入る前、肩になんか…手首のっけてた…

 

これはこの場所に訪れた人たちの恐怖体験のほんの一部です。

どちらも、純粋な慰霊目的ではなく、肝試しだったり遊びで訪れた人たちのお話でしたね。

語られていないだけで他にも恐ろしい思いをした人もたくさんいるかと思います。

大勢の方が一度に亡くなった場所にはそれだけ多くの残留思念も集まっています。

そんな場所に面白がって立ち入るのは、とても失礼ですし、危険でもあるのです。

けして御覧の皆様はふざけて遊びにいったりしないよう、お願い申し上げます…。

地図


名称:慰霊の森(雫石)
住所:岩手県岩手郡雫石町西安庭第 47地割

コメント

  1. 匿名 より:

    思念ってなんですかw

  2. 全国怪奇現象ファイル より:

    コメントありがとうございます。
    いつも真剣に読んで頂けているようで、執筆の励みになっています。
    この場所に関しては本当に中途半端な気持ちで取り組んではいけないと思い、真剣に記事を書かせて頂きました。
    ただの心霊スポットとして遊び半分で訪れてほしくないので、なるべく詳細に書いたつもりです。
    この事故を知らない方たちにも、ここは大勢の人が亡くなった事故現場であり、その方たちの慰霊の為の神聖な場所であるということを知って頂けたらと思います。

  3. 闇月反流乗 より:

    闇月反流乗です。立て続けのコメント、申し訳ございません。
    ちょうど今がまとめて見れる時間なんです。

    慰霊の森、たくさんの方が亡くなった悲しい出来事が起こった場所でしたね。
    たくさんの思念が集まっている…その通りだと思います。
    遊び半分で行くことに恨みをもってこのような怪奇案件を引き起こしたのでしょう。
    どの心霊スポットでも、遊び半分で行かない方がいいですよね。
    慰めやご冥福の気持ちで行くならまだしも…と思います。
    最初の体験談に出てきたタクシーの方。
    霊体という形で出てきたのでしょうが、何故霊として出てきたのでしょうか。
    怪奇案件が起こる場所は謎が多いです。
    どの怪奇案件でも霊たちからの無言の警告や怒りから引き起こされたのだと私は思います。
    霊感はない私ですが、こういう所で霊たちの心情や警告を受け取って行ければと思っています。

    相変わらずの長文失礼しました。

    • マロリー より:

      多くの方が墜落死したのはどちらかというと雫石の市街地ですね。
      現在は名前も変わりましたが、慰霊の森は土地収用の容易な森林地帯ということで場所が選定されたものです。