犬鳴峠

九州最恐の心霊スポット

全国的にも有名な心霊スポットといえば福岡県北部の『犬鳴峠』です。

数々の心霊現象の目撃談はもちろん、残虐な殺人事件や死体遺棄事件などもあったこの場所は近寄れば無事には帰れないとすら言われ恐れられています。

『犬鳴』という地名の由来は、その昔ある猟師がこの峠に狩りに訪れた時、猟犬があまりにも吠えるので狩りにならないと呆れ果て、怒りのあまりその犬を撃ち殺したんだそうです。

するとその直後、目の前に5mはあるであろう大蛇が現れ、猟犬はこのことを知らせていたのかと猟師は激しく後悔し、その後その犬の供養の為に猟師は出家したんだそうな。

それ以来、この場所は犬鳴峠と呼ばれるようになりました。

そもそもこの地は1000年ほど前には修験者達の修行の場として使われていたそうです。

しかし今はその時に張られた結界が綻び、悪霊や低級霊を呼び寄せてしまっているらしいのです。

凄惨な事件が起こる前からも心霊スポットとして知られていたのは、元々の土地自体に良くない気が滞っていたからでしょう。

『旧犬鳴トンネル』は犬鳴峠の中でも最も恐れられているスポットです。

何故かというと、このトンネルがとある凄惨な殺人事件の現場だからです。

『犬鳴トンネル焼殺事件』という事件を聞いたことがあるでしょうか。

1988年の12月7日、ある家族思いの青年がこのトンネルで殺されました。

事件のおおまかな内容は、青年が信号待ちをしていたところ、少年5人組に突然「車を貸せ」と言われるところからはじまります。

仕事から帰宅途中だった青年は当然それを断りました。

しかし、少年達は理不尽にもそれに激昂し、青年をその場で車から引きずり出して暴行を加え拉致します。

5人の少年に暴行を受けた青年は、少年達が寝入った隙に一度はなんとか逃げ出したものの、すぐに捕まりさらなる暴行を受けることになります。

逃げられたことに激怒した少年達の暴行はエスカレートしていき、青年はレンチなどの工具で殴られ、最終的に犬鳴峠にある『旧犬鳴トンネル』まで連れてこられたそうです。

ガソリンを全身に撒かれた上に手足を縛られ、石で頭部を殴られ…それでも死ねなかった青年に少年達は火を放ちました。

青年は激しくのたうち回り、悲鳴をあげながらトンネルの入口まで走ったところで力尽き倒れました。

倒れた後も火の周りは遅く、すぐに死ぬことも出来ずに苦しんで死んでいった青年の死因は、頭部からの失血死だったそうです…。

今現在はこのトンネルの入口にブロックが積み上げられており、車では中に入れません。

それでもどうにかこの地を訪れようとする人が絶えないそうです。

ここで実際にこの旧犬鳴トンネルに肝試しに行った方の体験談を一つ、語りたいと思います。

大学生4人組でこの旧犬鳴トンネルに訪れた時の話です。

私たちはAとB、Cと私の2組に別れて順番にトンネルに入ることにしました。

トンネルに入ったAとBの姿が奥に進んでいき見えなくなってきた頃、トンネルの外では恐怖を煽るように雨が降り出してきました。

小降りではあったものの、状況が状況なため私はすでに帰りたくて仕方がありませんでした。

トンネルの外で待つこと数分…。

こちらへ戻ってくるAとBの姿が見え始めた時、ちょうど私の隣のCの電話が鳴り響きました。

Cは電話に出て「もしもし?」と何度か話しかけている様子でしたが、相手からの返事がないようで首を傾げていました。

その様子を見つつ私が、そういえばここって圏外じゃなかったっけ?と思い至ったところで、トンネルの中からAがこちらに声をかけてきました。

A:「おーい、次交代するかー?」

その瞬間、電話中のCの顔色は真っ青になり、慌ててトンネルに向かって叫びました。

C:「急いで戻れ!連れてかれるぞ!」

私は何が起きたのかわからず呆然としていましたが、Bが突然「うわぁぁ!」と叫びました。

腰が抜けたように四つん這いになってAから逃げるBの様子に、Aも焦ってBの肩を掴んで走り出します。

私もわけもわからず走って車の所まで逃げると、Cが真っ先に運転席に乗り込みました。

遅れてAとBが車に乗車したのを確認し、Cは急いでUターンして元来た道に戻ろうとします。

その瞬間、フロントガラスがいきなりドンッ!ドンッ!と音を立てました。

AとBが何かに気づいたように「うわぁぁぁ!!」と叫びます。

「ゴキッ…ゴキ…!」

何かが折れるような、そんなやばい音がする。

さすがの私もそう感じてフロントガラスを見ると、そこにその何かはいました。

焦げたような、真っ黒な人間らしきものが白い眼だけをギョロギョロと動かしてこちらを見ている。

フロントガラスに張り付いて窓を叩いている。

それが時折首を、それも180度は曲がって逆さまになるたびにゴキンッと嫌な音がする。

私たちが半狂乱になって叫ぶ中、Cが恐怖のあまり涙を流しながら車を発進させました。

峠を全速力で下る間もそれはフロントガラスにへばりついたまま、今度は頭を打ち付けるように窓を叩き始めました。

「ゴンッ!ゴンッ!グシャッ!」

しだいに頭を打ち続ける音が何かが潰れるような嫌な音に変わっていく。

いよいよフロントガラスにヒビが入り、その何かが隙間からこちらをのぞき込んできました。

運転するCは前が見えなくなったのか、ついに車は道の脇にある木に衝突してしまいました。

結構な衝撃でしたが、パニックになった私たちを尻目にCはためらいなくバックをしました。

その拍子に後部もぶつけて、トランクが衝撃で開いたようでしたがC以外の3人はただただ泣くことしかできませんでした。

Cだけが勇敢に車を走らせ、数分経った頃です。

C:「とりあえず、新トンネルの方まではきたから…」

そんなCの声に私たちは恐る恐る目を開いてあたりを見回しました。

もうその何かの姿は見当たらず、車は新道を走っており私たちは安堵の表情を浮かべました。

人通りのある場所まで戻ると、私はとりあえず何があったのかを確認することにしました。

ここからは、Cから聞いた話です。

C:『最初に電話が鳴ったとき、電話の向こうから雨の音が聞こえたんだ。

なんだか今、自分たちがいる場所と同じような音で嫌な感じがするな、と思った。

そしたらAの交代するか?という声が、トンネルの中と電話の両方から聞こえてきた。

不思議に思ってAとBの方に目を向けると、Aの後ろに誰かが立ってたんだ。

14~5歳くらいの女の子だったと思う。その子が携帯を持ってるのが見えてゾッとしたんだ。

今電話をかけてるのはあいつなのかって。

そしたらその女、首を左右にコキ、コキって曲げるんだ。顎が上にくるくらい曲げてさ。

頭が逆さまになったまま、Aの顔を覗き込んだんだよ。

Cの話を聞いて「それを俺も見たんだ」とBが青い顔で同意しました。

あの場所は明らかにおかしい、絶対に行っちゃいけない場所だったんだと涙目で語るC。

今日の軽率な行動をみんなで反省してると、またあの音が聞こえたような気がしました。

『コキッ…コキッ…』

私たちは真っ青になって車を走らせ、帰路を急ぎました。

その後の話です。

私たちはもうへとへとになってA以外の3人は駅まで送ってもらい、車の持ち主であるAだけが車に乗って帰っていきました。

Aを3人で見送っていたそのとき、Cがポツリとつぶやきました。

C:「…今、トランク、閉まってたな」

そういえば先ほど木にぶつかった際に衝撃で開いていたはず。

確認しようにもAはもう帰ってしまっていたので、私たちも解散してそれぞれ帰宅しました。

それを最後にAは行方不明になり、その後彼の姿を見ることはありませんでした。

彼は、一体どこに行ってしまったんでしょうか…。

新トンネルの方は今も普通に稼働していますが、こちらも同じ犬鳴峠内にあるので霊の目撃談は非常に多いです。

峠を何回も利用しているという男性の話では、過去に3回程女性の霊が後部座席に乗っていたことがあるらしく、峠を抜けるといつの間にか消えているんだそうです。

以前トンネル前に設置されていた電話ボックスでも、夜になると女の霊が見えると噂になっていたそうで、もしかすると同じ女性がずっと彷徨っているのかもしれませんね。

2001年には、犬鳴峠に肝試しにきた5人組の少年が帰りの道中に事故にあい、内4名が亡くなったこともあるそうです…。

冒頭にお話した犬鳴トンネル焼殺事件の犯人の少年たちも奇しくも同じ5人組でした。

何か関連があるのでしょうか…。

また、犬鳴峠には『犬鳴村』という都市伝説のようなものが存在しています。

なんでも江戸時代から酷い差別を受けていた集落が、外部との接触を拒み続け今でも自給自足の生活をしているんだとか。

地図にも記載されていないというその村の入り口には「この先、日本国憲法は適用しません」という看板があり、入ろうとすると斧を持った村人に襲われるそうです。

この村に立ち入ったカップルが殺されたという噂があり、実際に村に辿り着くのはほぼ不可能のようです。

実在した旧犬鳴村とは無関係で、噂が噂を呼びできた都市伝説として知られているようですが、『実在しない』と言い切れる証拠もないため面白半分で探しに行くのは止めたほうがいいでしょう。

霊感の強い人が行くと吐き気を催すくらい、澱んだ気の集まる犬鳴峠。

軽い気持ちでふざけて足を踏み入れたら無事には帰れないかも知れません…。

地図


名称:犬鳴峠
住所:福岡県宮若市久山町

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