朝倉病院跡

悲痛な患者たちの魂がさまよう病院跡地

朝倉病院事件という、とある病院で起きた残酷な事件をご存じでしょうか。

40人以上に及ぶ患者が不審な死を遂げたこの事件は、2001年当時メディアにも取り上げられ日本中が震撼しました。

事件のあらましはこうです。

朝倉病院は当時、精神病院として行く当てのない患者たちを積極的に受け入れていました。

ホームレスや認知症を患った年配の方が多く、入院患者の9割は老人だったそうです。

さらに患者の4割は生活保護者でした。

なぜこのような方々の受け入れが多かったのか。それには理由がありました。

この病院は患者に不当な治療を行い、その診療報酬を不正請求していたのです。

これだけを聞くと現代でも時折ニュース等で見るような事件ですが、その不当な治療というのが患者の人権を無視した冷酷かつ残虐なものでした…。

まず第一に、この病院の患者のほとんどが何らかの形で身体を拘束されていました。

腰にヒモをつけられ壁に繋がれる人、腕足肩などの四肢をベッドに縛りつけられ寝がえりすらまともに打てないような人もいたそうです。

通常、医療的に拘束する必要がある場合というのは、限られた状況でのみ起こりうることで、この病院のようにほとんどの人に拘束があるというのは考えられないことです。

「拘束をゆるめてくれ」という患者の悲痛な声も聞こえるほどだったそうです。

次に問題になったのはIVH(中心静脈栄養法)の不正投与です。

IVHとは、通常の食事ができない場合など特別な栄養補給が必要な際に行われるものです。

主に鎖骨等からカテーテルを挿入して、高カロリーの輸液を体内の大きな静脈から継続的に流し込む治療法です。

このIVHをなんと、投与する必要のない患者にまで無理やり投与していたというのです。

先に挙げた通り、自ら食事ができる患者には必要のない治療なのですが、この病院はまともな検診もせずに患者の食事を制限して、IVHから栄養補給をさせていました。

もちろん食事を欲しがる患者もいましたが、その声は届かず、IVHを繋がれ続けました。

IVHというのは最終手段であり、健康体に繋ぐということは基本的に想定されていません。

では必要のない人に繋ぎ続けるとどうなるか。

体内の栄養バランスは著しく乱れ、その結果臓器不全などの病気を引き起こします。

健常者を病人に変えることで、さらに不正な治療報酬を受け取っていたのです。

もちろん本来なら食事ができるはずの患者です。

「ご飯が食べたい」「ごはん…」とつぶやく声が病棟のあらゆる場所で聞こえたそうな・・・。

このような不正行為を続けた朝倉病院ですが、不審死の患者が40人を超えた頃、元職員の告発を受けついに事件は明るみに出ました。

患者の拘束、IVHの不正投与の他にも、手術を手術室以外の一般病室で行うなどの違法行為が発覚したのち、朝倉病院は2001年7月17日に廃止となったのです。

しかし、あくまでも診療報酬などの不正受給による保険医療機関指定の取り消しとして廃院になっただけで、40人の亡くなった患者に対する治療には殺人などの容疑がかかることはありませんでした。

噂によると、この病院の医院長はいまだに医師を続けているとのことです。

被害にあった患者たちの中には、死ぬ間際までまともにご飯にありつけず、拘束されたまま亡くなっていった方もいるかもしれません。

その無念な気持ちを思うと、悲しみがひしひしとこみ上げてきます。

ここからは今はもう見れない廃墟になった後の病院の様子を紹介していきたいと思います。

こちらは一階通路の様子です。

まるで刑務所のような造りで、パッと見ただけでは病院とは思えません。

ちゃんと患者として扱われていたのかすら疑問に思えてしまいます。

一階の個室です。

牢屋にしか見えませんね…。

残された車いすが物悲しげです。

車いすにうなだれる老人の姿が容易に想像できます。

ここは2階の廊下の様子です。

2階と3階は似たような造りで、大部屋の病室が並んでいます。

3階の廊下の様子です。

何故か廊下にベッドが散乱していますが、このベッドにも誰かが拘束されていたのでしょうか…。

実際に患者が拘束されていたと思われる病室です。

この部屋にも活気があった頃があるのでしょうか…。

私には今にもご飯をせがむ声と、拘束に苦しむ声が聞こえてきそうで胸が痛みます。

この病院で無念のまま亡くなった方々に、心からご冥福をお祈りいたします・・・。

この朝倉病院ですが、今現在は建物自体取り壊されて中に入ることはできません。

ですが、建物があった場所には今でも有刺鉄線の張り巡らされた塀があり、その異様さが伝わってくるようです。

最後にこの記事で紹介した朝倉病院事件を取り上げた当時のニュース映像を載せておきます。

興味のある方はご覧になってみてください。

地図

名称:朝倉病院跡
住所:埼玉県春日部市大衾496-378

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コメント

  1. 闇月 反流乗 より:

    ひどいですね、、、、、
    この記事を読むのは何度目かになりますが、読むたびに医者を続けている院長への怒りの気持ち、被害に遭われた方達へのご冥福の気持ちで胸がいっぱいになります。
    この医者のせいで看護、介護関係者が悪く思われると関係ない人たちも迷惑ですね。
    この記事を書くにあたって何度も心を痛めたと思います。(予測ですが)そんな中でも公開してくださった方に心から感謝の気持ちを申し上げます。
    あなたのおかげで、一人でも多く、この事件が世の中に知れ渡ると思うと、ずっと心に留めておきたい事件だと改めて感じます。
    最後に、偽名ですみませんが、またこのサイトやほかの案件にコメントさせていただいてよろしいでしょうか。
    長文大変失礼しました。

    • 全国怪奇現象ファイル より:

      コメント頂きありがとうございます。
      何度も繰り返し読んで頂いたようで、記事を書き上げた努力が実を結んだような気持ちです。
      この事件の詳細を調べ上げたところ、多数の医療事故の情報を目にして辛い気持ちにもなりました。
      人が助かるべき現場でこのような事故が起きるのはとても悲しいことですね。
      闇月様の心の片隅にひっかかって頂けただけでも幸いです。
      今後も是非コメントや感想をお待ち申し上げております。
      真摯なコメントをして頂きありがとうございました。

  2. 明菜 より:

    朝倉病院事件、今から17年前ですか
    興味深く拝見しました。当時この時期は育児に追われていて全く知りませんでした。院長は現在でも医師として患者さんと接してるのですか。
    そんな理不尽な事、怒りが込み上げてきます。亡くなられた方々がうかばれませんね。当時の病院関係者、看護婦達も辛かったでしょうね。告発すれば自分の首が飛ぶし。風化させてはいけない事件ですね。日本は高齢化の問題が山積みで人ごとではありまん。年金制度もっと見直してほしい。
    このような記事を連載していただきありがとうございました。

    • 全国怪奇現象ファイル より:

      コメント頂きありがとうございます。
      実は私もこの記事を書くまではこの事件の事は知りませんでした。
      それだけ忘れ去られてしまっているというのも事実なんだと思います。
      でも当事者や遺族の方からすれば今も続いている悲しみなのだということを、少しでも多くの方に考えて頂けると幸いです。
      明菜様、真摯なコメントを頂きありがとうございました。

  3. 津出千 敏夫 より:

    現在、朝倉重延医師は東京東久留米のとある病院の内科にいるとかいないとか…

    • 全国怪奇現象ファイル より:

      コメント頂きありがとうございます。
      まさか本当に医師を続けていらっしゃるとは…驚きで言葉も出ません。
      記事を書く際には念入りに情報収集をしておりますが、やはり手の届かないところもございますので貴重な情報大変ありがたく存じます。