弘法大師(空海)ゆかりの溜め池
満濃池(まんのういけ)は1300年の歴史を誇る日本最大級の農業用溜め池です。
西暦700年ごろに造られて以来、決壊と修繕を繰り返し今の姿をとどめています。
最初に弘法大師が改修したということで有名なこの場所は、実は心霊スポットとしても知られているのです。
特に有名なのは、昭和48年にあった死体遺棄事件の話です。
当時、夏の猛暑によって珍しく満濃池が干上がったときの事です。
お盆休みで釣りに来ていた人が池の底に転がる大きな何かを発見しました。
調べてみると、それはカーペットにくるまれた遺体だったそうです。
遺体の腐敗は進んでおり白骨化していたため、女性という事しかわからない状態でした。
殺人事件として捜査が始まったものの、何の手掛かりもなく事件は迷宮入りかと思われました。
警察は最後の手段として頭蓋骨をもとに復顔し、その写真を新聞に掲載しました。
絶望的な状況の中、岡山に住むとある女性から「1年前に行方不明になった娘じゃないか」という電話が入ります。
結論から言うと、被害者は当時29歳のホステスで、その方の娘でした。
電話をくれた女性は岡山の病院で入院生活を送っていました。
ある日、湖の中から何人もの女の人が悲鳴を上げて助けを求めてくる夢を見たそうです。
ハッとして目を覚ました女性は、水でも飲もうかと洗面所の蛇口をひねりました。
するとその時、かすかに「お母さん」と自分を呼ぶ娘の声が聞こえたそうです。
それからもやもやしたまま寝付けずにいると、たまたま開いた新聞に先ほどの復顔写真が載っていたそうです。
これだけでも十分不思議な話ですが、その4年後に別件から犯人が逮捕されます。
なんと・・・、犯人は満濃池で発見された被害者の女性と同棲していた男でした。
その後の事情聴取によると、その男は下記のような奇妙なことを語りだします。
当時タクシーの運転手をしていた男は、事件以降に満濃池の近くを通るとエンジントラブルが必ず起き、ボンネットを開けると「水が冷たい・・・」という女の声が聞こえてきたそうです。
その声にハッとなり、車内に目をやるとタクシーに女が座っている気配がするのです。
恐ろしくなった男は運転手を退職するが、転職後も行く先々で女の亡霊に悩まされたそうな。
結局まともな職につけなくなった男は詐欺を働き、その取り調べの最中に満濃池に死体遺棄した殺人事件についても自供したそうです。
この男が逮捕された日はくしくも金毘羅大祭の日であり、捕まった場所は弘法大師生誕の地である善通寺の門前だったと言われています。
また、この事件の際に死体を引き上げた直後から雨が三日三晩降り続き、池の水位はすぐに元に戻りました。
これらのことから、弘法大師が女性の無念を嘆き池を干上がらせたのだと噂になり、この一連の出来事は「弘法大師の涙雨」として語られるようになりました。
さて、今お話ししたのはこの池にまつわる有名なお話でしたが、それ以外にもこの池には数々の曰くがあるとされています。
その昔、この池がまだ決壊を繰り返していたころ、修繕する際に人柱が捧げられていた。
という話や、
一度この池が決壊したまま放置されていた期間があり、その間ここには「池内村」という村があったが、急遽池の修繕がきまりその村はそのまま池の底に沈んでいる。
という話もその中の一つです。
この近くには火葬場もあり、そこに続く道は人通りも少ないそうです。
音楽を聴きながらその道を通ると急に音が鳴らなくなり、通り過ぎると音が鳴り始めるという怪現象も起こるんだとか・・・。
また、満濃池付近で起こる怪現象で最も多いのが、人魂の目撃談や体調不良・車の不調なんだそうです。
香川県最恐の心霊スポットとして知られる満濃池。
弘法大師ゆかりの地として観光地にもなっていますが、夜に訪れる際はくれぐれも気を付けて下さい…。
地図
名称:満濃池
住所:香川県仲多度郡まんのう町大字神野
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